労務ガイド06
ミャンマーの法律では辞職や解雇についての記載がほとんどなく、必要条件は労働省の方針に基づき、重要事項のほとんどは雇用契約書テンプレートに記載されています(雇用契約書については労務ガイド01を参照)。
雇用契約書テンプレートに基づくと、従業員は最低1ヶ月前に辞める意向を企業に伝える必要があります。
通常の規則違反の場合、従業員は2度目までは警告を受け、3度目で違反を繰り返さない旨の誓約書への署名を求められます。
3度目の署名以降12ヶ月以内に再度規則違反があった場合、雇用者は解雇手当などを支払うことなく解雇できる。ただし、12ヶ月をすぎるとそれ以前の警告は全て無効。
法律に従うと雇用主は通知により従業員の解雇またはその理由を述べる必要はありませんが、雇用契約書テンプレートに基づくと雇用主は従業員の解雇の理由を記した書面に署名をし記録しておく必要があります。また、解雇は労働局の慣行に従い、雇用契約もしくは就業規則で明記された理由でのみ可能です。
下記ポイントの場合を除き、雇用主は、1ヶ月前に通知し、法定解雇手当を支払うことにより、従業員を解雇することができます(ただし法律または規制に違反して従業員を解雇してはならない)。
雇用契約書テンプレートでの規定には、会社の閉鎖・予測できない事象による事業の一時停止・従業員の死亡などを理由により雇用契約が終了する場合があると記載されている。
雇用契約書テンプレートでは重大な違法行為時の解雇について明記がないため、突然の即時解雇も許可できことが想定できる。雇用主は必要に応じて、雇用契約の添付書類として雇用規則を添付し様々なカテゴリーの違法行為と懲戒処分レベルを指定することができる。ただし、解雇理由を雇用契約書の添付書類として追加する場合、テンプレートの修正・補足の確認・承認・登録のために、該当するタウンシップ労働局に提出する必要がある。
上記の通り、辞職や解雇に関する法整備は発展途上であり、特に解雇に対しては曖昧なことが多いため、細かな基準は各企業で決めていく必要があります。周知の通りCOVID-19及びクーデターの影響でミャンマー国内は混乱を極めています。これまで、定期的に就業規則や雇用契約書の内容を更新されていないケースでは、現在の状況を踏まえて内容に過不足がないかどうか確認することをおすすめいたします。